メディアに出る方へ:出る範囲を、出る前に決めておきたかった
会社を継いでから、業界誌やウェブメディアから「少しコメントをいただけませんか」と頼まれることが何度かありました。断る理由もなく、話せる範囲で話しました。それ自体は、よかったと思っています。
困ったのは、その後です。一度話したコメントが、別の記事にも載っていた。提供した現場の写真が、見たことのない広告に使われていた。発言の一部だけが切り取られて、言いたかったことと違う形で載った。どれも、相手に悪気があったわけではないと思います。私が、どの媒体に、いつまで、どこまで、と決めていなかっただけです。
取材や出演は、頼まれるのは一瞬で、使われるのは長い。しかも、頼まれた側は「出していただけるなら」と恐縮してしまい、条件の話をしにくい。だから後で困る。
段組では、メディア出演・素材提供を一つの分野にしました。一段目で、答えられる論点と答えない論点を伝え、媒体・期間・地域・二次利用・クレジットの表記を段の成果物に書く。放送や掲載の前に見られるかどうかも、そこで決める。提供する素材の権利はあなたに残り、相手には段で定めた範囲で利用を許諾する形です。範囲の外で使われたときは、記録を見ればすぐ分かります。
無償の取材協力にも、同じように使えます。無償であっても、範囲と権利は決めておきたい。何度も頼まれるようになったときに、「次は段として」と言える入口にもなります。
メディアに出る側の方にとって、段組は「出る範囲を、出る前に決める」ための道具です。頼む側のメディアや企業にとっても、後から揉めないための道具だと思っています。
段の組み方の例は「メディア出演・素材提供の方へ」にまとめました。


