店の仕組みを頼む方と作る方へ:小さく始まって、大きく膨らむ
自社の窓口業務で、問い合わせフォームと見積の下書きの仕組みを作ってもらったことがあります。最初の頼み方は「フォームだけ」でした。動き始めると便利で、「台帳にも入るといい」「通知も欲しい」「見積の形式もこうしたい」と、思いつくたびに頼みました。相手は断りませんでした。断りにくかったのだと、後で気づきました。
もう一つ、恥ずかしい話があります。夜中に「動かない」と連絡したことがあります。保守の約束を何も決めていなかったので、相手がいつ対応するものなのか、私にも相手にも分からなかった。翌朝、相手から丁寧な返事が来て、私の方が申し訳なくなりました。
店舗の仕組みは、小さく始まって大きく膨らむ。それは頼む側の性質で、作る側の責任ではないと思っています。ただ、膨らんだ分を誰が引き受けるのかを決めていないと、作る側が黙って引き受けることになる。
段組では、一段目を「店の流れを見て、できる形を三つ」までにしました。試作・本番・保守を別の段にして、動作環境とデータの持ち主を一段目の成果物に書く。保守は「6か月・月次の改修と障害対応」のように段にして、時間帯と範囲を決める。作る方が元々持っている汎用の部品の権利は、作る方に残る。
膨らんだときは、次の段として置けばいい。頼む側は「どこまで頼んでいるか」が見え、作る側は「ここから先は次の段」と、言わずに済む。
店の仕組みを作る方にとって、段組は「膨らむ前に段で切る」ための道具です。頼む側にとっては、自分がどれだけ頼んでいるかを見るための道具でもあります。
段の組み方の例は「店舗システム開発の方へ」にまとめました。


