店の改装を頼んだとき、私が最初に聞くべきだったこと
建材の商社をやっていると、店舗の改装の相談を受ける側にも、頼む側にも立ちます。サンプルを持って行く側として、よく見る場面があります。設計者が現地を見る前に、店主が「ざっくりいくら」と聞き、設計者が答えてしまう。その数字が、後で全部変わる。
変わるのは当たり前です。壁の中に何があるか、床がどれだけ傷んでいるか、天井裏の配線がどうなっているか、見なければ分からない。でも一度口にした数字は、店主の頭に残る。後で「話が違う」になるのは、どちらも悪くないのに、最初の順番が逆だったからだと思っています。
もう一つあります。ラフ案だけ受け取って、別の業者に安く頼む。悪気はなく、予算の都合でそうなる。設計者にとって、ラフ案は仕事の一番大事な部分なのに、払われていない。
段組では、内装・設計の一段目を「現地を見て、できることを三つ」までにしました。見てから言う。ラフ案は二段目で値段が付き、払われていない案の権利は設計者に残る。実施設計と立会いは別の段で、施工を含むかどうか、法規の確認をするかどうかを一段目に書く。支払った後の設計の再利用(二号店で使うなど)の可否も、段で決める。
私が最初に聞くべきだったのは「いくら」ではなく、「いつ見に来てもらえますか」でした。
店の内装や設計をする方にとって、段組は「見てから言う」を当たり前にするための道具です。頼む側にとっては、「見てもらってから聞く」ための道具です。
段の組み方の例は「店舗の内装・設計の方へ」にまとめました。


